人材開発支援助成金 2026年度|研修経費の最大75%を助成・リスキリング支援コースは今年度末で終了・申請の流れを解説
最終更新: 2026-08-27
従業員に研修(OFF-JT)を受けさせた企業へ、研修経費の一部と訓練期間中の賃金を国が助成する制度が「人材開発支援助成金」(厚生労働省)です。なかでも「事業展開等リスキリング支援コース」は、中小企業なら経費の75%(1人1訓練あたり最大50万円)に加えて賃金助成1人1時間1,000円が受けられる手厚さですが、令和4〜8年度の期間限定措置で、2026年度(令和8年度)が最終年度です。この記事では2026年8月時点の厚生労働省パンフレット(令和8年8月3日版)に基づき、主要コースの助成額・要件・申請の流れを整理します。
主要コースと助成額 — まずは2つを押さえる
2026年度の人材開発支援助成金は7コース構成ですが、一般の中小企業がまず検討すべきは「事業展開等リスキリング支援コース」と「人材育成支援コース」の2つです。
- 事業展開等リスキリング支援コース: 新規事業やDX・GXに伴う人材育成向け。経費助成は中小企業75%・大企業60%、賃金助成は1人1時間あたり中小1,000円・大企業500円
- 経費助成の上限(中小企業・1人1訓練): 訓練時間に応じて30万〜50万円。eラーニング・通信制は15万円
- 人材育成支援コース: 職務に関連する一般的な訓練向け。経費助成は中小企業45%(非正規雇用者への訓練は70%)、賃金助成は1人1時間800円
- 年間の支給限度額(1事業所あたり): リスキリング支援コース1億円、人材育成支援コース1,000万円
このほか、デジタル人材育成向けの「人への投資促進コース」(年間限度額2,500万円)や、2026年4月に新設された45歳以上対象の中高年齢者実習型訓練(人材育成支援コース内)もあります。
リスキリング支援コースは2026年度が最後
事業展開等リスキリング支援コースは、公式パンフレットに「令和8年度末までの時限措置」と明記されており、延長の有無は2026年8月時点で発表されていません。高率の助成を使うなら今年度が最後のチャンスです。ただし後述のとおり訓練計画届は訓練開始日の1か月前までに提出が必要なため、年度末ぎりぎりの駆け込みは間に合いません。なお2026年4月には、訓練に必要な設備投資費用の50%(1人あたり15万円上限)を上乗せする加算(中小企業のみ)も新設されています。
対象となる事業主と訓練の要件
- 雇用保険適用事業所の事業主で、対象労働者が雇用保険の被保険者であること
- 訓練は通常業務と切り離したOFF-JTで、実訓練時間が10時間以上あること
- eラーニング・通信制も対象(標準学習時間10時間以上等)。ただし賃金助成はなく経費助成のみ
- 通学型・同時双方向型は実訓練時間の8割以上の受講が必要
- 計画届の提出までに、職業能力開発推進者の選任と事業内職業能力開発計画の策定・周知を済ませておくこと
申請の流れ — 計画届は訓練開始1か月前まで
- ① 訓練計画届を、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に管轄の労働局へ提出
- ② 計画に沿って訓練を実施(日程等の変更は事前に変更届。届出のない変更部分は助成対象外)
- ③ 訓練終了日の翌日から2か月以内に支給申請(期限厳守)
電子申請は「雇用関係助成金ポータル」から行い、GビズIDが必要です(キャリアアップ助成金と同じシステムで、補助金のjGrantsとは別です)。計画届を電子申請していない場合、その後の支給申請は電子では行えない点に注意してください。また、研修を始めてしまってから遡って申請することはできません。
2026年8月3日改正の注意点
- eラーニング訓練の受講が1人につき1年度1回までに制限
- DX・GX関連であっても、職務に間接的な訓練や職業人として共通のスキル研修は対象外に絞り込み
- 「実質無料で受講できる」等の勧誘(受講料の実質返金)を受けた訓練は不支給。厚生労働省が注意喚起しています
- マナー研修・趣味教養・法定義務講習などはもともと対象外
要件を満たせば受給できる助成金ですが、予算の範囲内で支給される点、審査は支給申請後に一括して行われ計画届の受理が支給の確約ではない点は押さえておきましょう。
キャリアアップ助成金との合わせ技で最大80万円
人材開発支援助成金の対象訓練(人材育成支援・リスキリング支援・人への投資促進の各コース)を修了した有期雇用労働者を正社員へ転換すると、キャリアアップ助成金正社員化コースの「重点支援対象者」に該当し、中小企業で1人最大80万円(通常の2倍)を受け取れます。訓練計画届の提出をキャリアアップ計画の提出とみなす手続きの簡素化もあり、人材育成と正社員化をセットで設計すると効果的です。
研修の予定が決まったら、まず計画届の準備を
人材開発支援助成金は通年で申請できますが、リスキリング支援コースの期限を考えると動き出しは早いほど有利です。また、人材育成や賃上げ・設備投資には国や自治体の補助金も併用できます。補助金みっけなら、国(jGrants)の公式データからあなたの地域・業種で使える制度を無料で検索でき、お気に入り登録した制度の締切アラートも受け取れます。
よくある質問
eラーニングの研修も助成対象になりますか?
対象になります。標準学習時間10時間以上または標準学習期間1か月以上が要件で、訓練実施期間中に修了する必要があります。ただし賃金助成はなく経費助成のみで、上限は中小企業15万円(リスキリング支援コースの場合)。2026年8月3日以降の計画届からは、eラーニング訓練の受講は1人につき1年度1回までに制限されています。
事業展開等リスキリング支援コースはいつまで利用できますか?
令和4〜8年度の期間限定措置で、令和8年度(2026年度)末までとされています。延長の有無は2026年8月時点で発表されていません。訓練計画届は訓練開始日の1か月前までに提出が必要なため、利用を検討している場合は早めの準備をおすすめします。
すでに始めてしまった研修にも使えますか?
使えません。訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に訓練計画届を労働局へ提出しておくことが要件で、遡っての申請はできません(雇入れから1か月以内の新規採用者のみを対象とする訓練など、一部例外はあります)。
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