飲食店が使える補助金・助成金 2026|持続化補助金(12月15日締切)・券売機や食洗機の省力化カタログ型・レジ補助金・業務改善助成金など7制度の上限額と締切を解説
最終更新: 2026-10-03
2026年秋の飲食店は、最低賃金の引き上げ(全国加重平均1,177円、10月1日から順次発効)、2027年4月に予定される食料品の消費税引き下げに伴うレジ対応、慢性的な人手不足と、お金のかかる課題が一度に来ています。一方で、国の補助金・助成金には飲食店の店舗改装・券売機・POSレジ・賃上げ・喫煙室の設置まで使えるものが揃っており、10月から翌年1月にかけて締切が集中します。この記事では、飲食店が使える国の7制度を、2026年10月3日時点の公募要領・厚生労働省の公式資料をもとに「何に使えるか・上限額・締切」の順で整理します。
まず締切順に全体像をつかむ(2026年10月〜2027年1月)
- 10月16日17:00: 中小企業省力化投資補助金〈一般型〉第8回の申請締切(カタログにない大型の厨房自動化など)
- 10月30日17:00: デジタル化・AI導入補助金 6次締切(POSレジ・予約システム。次は12月1日締切)
- 最低賃金の発効日の前日(最長11月30日): 業務改善助成金(10月1日発効の15都道府県は受付終了済み)
- 11月30日17:00: 働き方改革推進支援助成金の交付申請期限
- 12月4日: 持続化補助金 第20回の事業支援計画書(様式4)発行依頼の締切 → 12月15日17:00が申請締切
- 2027年1月31日: 受動喫煙防止対策助成金の申請期日(予算到達で前倒し終了あり)
- 随時(2027年3月末頃まで): 省力化投資補助金〈カタログ注文型〉。券売機・食洗機・配膳ロボットなど
- 2027年1月頃に受付開始予定: レジ買い替えの事前着手制度(2026年9月15日以降の導入分を事後申請)
① 小規模事業者持続化補助金 第20回 — 店舗改装・チラシ・ホームページに(12月15日締切)
飲食店が最初に検討すべき制度です。補助上限50万円・補助率2/3が基本で、インボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)を併用すると最大250万円になります。第20回の申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00ですが、商工会議所・商工会に発行してもらう事業支援計画書(様式4)の依頼締切が12月4日と先に来るため、10月中に経営計画の相談を始めるのが現実的なスケジュールです。
- 店舗改装が対象: 公募要領の委託・外注費の経費例に「店舗改装・バリアフリー化工事」「利用客向けトイレの改装工事」が明記されている(建物の増築・増床など不動産取得にあたるものは対象外)
- チラシ・看板は広報費、ホームページ・予約サイトはウェブサイト関連費(いずれも上限30万円・税込で、単独申請は不可)。厨房機器は機械装置等費
- 賃金引上げ特例: 従業員1人あたりの給与支給総額を年平均3%以上引き上げる計画が条件。赤字事業者は補助率が3/4に上がる。特例の要件を1つでも満たせないと補助金全体が交付対象外になる
- 採択率は第17回51.1%・第18回47.5%・第19回47.2%(中小企業庁公表の申請件数・採択件数から算出)
- 開業1年以内なら〈創業型〉第4回(上限200万円・補助率2/3・同じ12月15日締切)が別枠である。市区町村の特定創業支援等事業の支援を受けていることが要件
→ 持続化補助金 第20回の詳細(対象者要件・特例の条件・様式4の落とし穴)
② 中小企業省力化投資補助金〈カタログ注文型〉— 券売機・配膳ロボット・食洗機を補助率1/2で
人手不足対策の本命です。事務局のカタログに登録された製品を選び、販売事業者と共同で申請する方式で、随時申請でき2027年3月末頃まで受け付けます。飲食サービス業が対象業種に含まれる製品カテゴリには、券売機(登録99製品)、自動精算機、配膳ロボット、清掃ロボット、スチームコンベクションオーブン、自動フライヤー、業務用自動食器洗浄機、急速冷却・急速凍結機、解凍機などがあり(2026年10月1日版のカテゴリ一覧)、ホールと厨房の両方をカバーします。
- 補助率1/2。上限は従業員5人以下500万円、6〜20人750万円、21人以上1,000万円(2026年3月19日の改定後の額)
- 大幅賃上げ(事業場内最低賃金3%以上かつ給与支給総額6%以上の引き上げ)を約束すると上限がそれぞれ750万円・1,000万円・1,500万円に。未達なら減額・返還の対象
- 交付決定前に購入した製品の費用は対象外。先に製品と販売事業者を決め、申請から交付決定まで概ね1〜2か月を見込む
- カタログにない設備やオーダーメイドの投資は〈一般型〉。第8回は10月16日17:00締切で、上限は従業員5人以下750万円〜(補助率は小規模事業者2/3)
→ 省力化投資補助金の詳細(カタログ型と一般型の違い・申請の流れ)
③ デジタル化・AI導入補助金2026 — POSレジ・券売機・予約システム(10月30日・12月1日締切)
旧IT導入補助金です。飲食店のPOSレジ・券売機・会計ソフトは「インボイス枠(インボイス対応類型)」に該当し、会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つITツールが最大350万円まで対象です。補助率は50万円以下の部分が3/4以内(小規模事業者は4/5以内)、50万円超〜350万円の部分が2/3以内と手厚く、レジ・券売機本体は20万円まで、PC・タブレットは10万円まで(いずれも1/2以内)のハードウェア費も付けられます(ハードウェアだけの申請は不可)。交付申請の締切は6次が2026年10月30日17:00、7次が12月1日17:00で、交付決定前に契約・発注したものは対象外です。
レジに限っては例外があります。食料品の消費税率引き下げ方針を受け、中小企業庁は2026年9月15日に「事前着手制度」を発表しました。従来型レジからスマートレジへの買い替え(スマートレジ類型)と既存POSレジの改修(POSレジ類型)について、9月15日以降に導入したものを後から申請できる仕組みで、補助率・上限はインボイス枠と同じ(中小企業最大350万円・3/4、小規模事業者は4/5)。対象期間は2026年9月15日〜2027年3月、申請受付は2027年1月〜3月の予定ですが、いずれも「調整中」で、公募要領は10月3日時点で未公開です。対象は事務局に登録されたレジ製品に限られる見込みなので、契約・納品・支払いの書類をすべて保管し、登録製品かどうかを販売店に確認してから導入してください。
→ 消費税引き下げのレジ補助金(事前着手制度)の詳細と2019年制度との違い
④ 業務改善助成金 — 時給引き上げ+設備投資で最大600万円(締切は県ごとに違う)
最低賃金対応の柱です。事業場内で最も低い時給を50円・70円・90円のいずれかのコース以上引き上げ、あわせてPOSレジ導入による在庫管理の効率化や経営コンサルティングなど生産性向上の投資を行うと、費用の4/5(引き上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満)または3/4(1,050円以上)が助成されます。上限はコースと引き上げる人数で決まり、最大600万円(90円コース・10人以上・特例事業者)です。対象は、事業場内の最低賃金が2026年度改定後の地域別最低賃金を下回っている事業場に限られます。
- 2026年度の地域別最低賃金: 全国加重平均1,177円(前年度比+56円・5.0%)。東京1,280円・大阪1,231円・愛知1,195円、最も低い宮崎は1,085円。発効日は10月1日〜12月2日に分散
- 締切: 自社の都道府県の発効日の前日か11月30日の早い方。10月1日発効の15都道府県(北海道・宮城・栃木・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・富山・岐阜・愛知・三重・大阪・兵庫・香川)は9月30日で受付終了
- 順番厳守: 申請 → 交付決定 → 賃上げ(発効日の前日まで) → 設備導入。申請前に時給を上げてしまうと対象外、発効日当日の引き上げも対象外
- 2026年度から自動車(特殊用途を除く)は対象外。助成対象経費は10万円以上、予算に達すると期間内でも受付終了
→ 業務改善助成金 2026年度の詳細(3コースの上限額一覧・申請の流れ)
⑤ 受動喫煙防止対策助成金 — 喫煙専用室の設置に上限100万円(2027年1月31日まで)
飲食店に固有の助成金です。労災保険が適用される中小企業の事業主が、健康増進法の「既存特定飲食提供施設」にあたる店舗に喫煙専用室や指定たばこ専用喫煙室を設置・改修する費用について、主たる業種が飲食店なら2/3(飲食店以外は1/2)、上限100万円(単位面積あたりの対象経費は60万円/平方メートルが上限)が助成されます。2026年度(令和8年度)の申請期日は2027年1月31日で、予算に達すると前倒しで締め切られます。申請先は店舗所在地の都道府県労働局で、必ず着工前に交付申請をして交付決定を受ける必要があります。設置した喫煙室には5年間の財産処分制限がかかります。
⑥⑦ 雇用系: キャリアアップ助成金と働き方改革推進支援助成金
- キャリアアップ助成金〈正社員化コース〉: アルバイト・パートの正社員転換で、中小企業は重点支援対象者1人あたり80万円(40万円×2期)、それ以外は40万円。無期雇用からの転換は40万円・20万円。2026年度は情報公表加算(20万円)が新設され、正社員転換制度の新規定(20万円)・多様な正社員制度(40万円)の加算もある
- 働き方改革推進支援助成金: 勤務間インターバルや年休取得促進のための設備・システム導入などを支援。2026年度の交付申請期限は11月30日17:00で、予算により期限前に終了する場合がある
- いずれも雇用保険に加入する従業員がいることが前提。家族だけで営む店では使えない
飲食店が落ちやすい落とし穴
- 交付決定前の発注・契約・支払いは対象外(レジの事前着手制度だけが例外)。見積りを取るのは自由だが、契約は交付決定を待つ
- 補助金・助成金はすべて後払い。工事費や設備費はいったん全額を自己資金や融資で立て替える
- 持続化補助金は従業員5人以下(弁当・総菜の製造を伴う場合は20人以下)。超える店は省力化・デジタル化・AI導入・業務改善助成金が候補
- 賃上げを条件に上限を上げる特例は、未達だと減額・返還(省力化)や全体の交付対象外(持続化)になる。達成できる計画でだけ使う
- 業務用冷蔵庫や空調を省エネ性能の高い機種に更新するなら、省エネ・非化石転換補助金(設備単位型・補助率1/3以内)も候補。4次公募は10月上旬開始予定だが、10月3日時点で日程は未公表
- 公募要領は年度の途中でも改訂される(持続化 第20回は7月21日に第8版、デジタル化・AI導入補助金の通常枠は8月28日改訂)。申請直前に最新版を確認する
- 都道府県・市区町村の独自制度(店舗改装・インバウンド対応・物価高騰対策など)は国の制度と併用できることが多い。募集期間が数週間のものもあるため、業種ページで募集中の制度を確認しておく
自分の店で使える制度を取りこぼさないために
飲食店向けの支援策は、同じ秋の時期に「県ごとに違う締切」「様式4の先行締切」「公募要領の未公開」が混在し、ひとつずつ公式サイトを見て回るだけでも手間がかかります。補助金みっけでは、国(jGrants)の公式データを毎日取り込み、飲食店が対象の制度を地域や目的で絞り込んで無料で検索できます。気になる制度をお気に入り登録すれば締切前にメールでお知らせし、プロプランなら店舗のプロフィールに合う新着制度をAIが判定して通知します。レジの事前着手制度のように続報待ちの制度も、公募開始を見逃さずに済みます。
よくある質問
従業員が5人を超える飲食店は持続化補助金を使えませんか?
料理をその場で提供する飲食店は「商業・サービス業」に分類され、常時使用する従業員が5人以下であることが要件です(第19回公募の参考資料の例示。第20回版の参考資料は2026年10月3日時点で未公開)。弁当や総菜など流通性のある食品を製造している場合は「製造業その他」として20人以下まで対象になります。5人を超える場合は、中小企業省力化投資補助金やデジタル化・AI導入補助金、業務改善助成金など従業員数の上限が緩い制度を検討してください。
消費税引き下げに備えてレジを買い替えたいのですが、補助金が決まるまで待つべきですか?
レジの買い替え・改修に限っては、デジタル化・AI導入補助金の事前着手制度により2026年9月15日以降に導入したものを後から申請できると中小企業庁が発表しています(申請受付は2027年1月頃の予定)。ただし公募要領は2026年10月3日時点で未公開で、対象は事務局に登録されたスマートレジ・POSレジ製品に限られる見込みです。契約書・納品書・領収書を必ず保管し、登録製品かどうかを販売店に確認してから購入してください。レジ以外の予約システムなどは通常のインボイス枠で、交付決定後に発注する必要があります。
業務改善助成金はまだ申請できますか?
都道府県によります。締切は自社の都道府県の最低賃金発効日の前日か2026年11月30日の早い方で、10月1日発効の15都道府県(東京・大阪・愛知・神奈川・埼玉・千葉など)は9月30日で受付が終了しました。発効日が10月2日以降の32府県は発効日の前日まで申請できます(沖縄のように12月発効の県でも11月30日が上限)。事業場内の最低賃金が改定後の地域別最低賃金を下回っていることが要件で、賃上げは申請後・発効日前日までに行う順番です。
関連記事
小規模事業者持続化補助金 第20回|上限最大250万円・11月受付開始・採択率を解説
小規模事業者持続化補助金の第20回公募は2026年11月5日〜12月15日受付。補助上限50万円(特例併用で最大250万円)・補助率2/3、対象者要件、様式4の落とし穴、直近の採択率(約47〜51%)を解説します。
消費税1%引き下げのレジ補助金|デジタル化・AI導入補助金の事前着手制度で最大350万円・補助率3/4〜4/5、9月15日以降の導入を後から申請できる仕組みを解説
食料品の消費税率を2027年4月から2年間1%へ引き下げる大綱が2026年9月15日に閣議決定。レジ改修・スマートレジ導入は「デジタル化・AI導入補助金」の事前着手制度で支援され、公表案は上限350万円・補助率3/4(小規模事業者4/5)・レジ本体20万円。対象期間・申請時期と2019年制度との違いを整理します。
中小企業省力化投資補助金|カタログ型と一般型の違い・上限額(最大1億円)・採択率を解説
人手不足対策に使える中小企業省力化投資補助金を解説。カタログ注文型は随時申請でき従業員数に応じ最大1,500万円、一般型は最大1億円(補助率1/2〜2/3)で採択率は約61〜69%。清掃ロボット・券売機などの対象製品、申請の流れ、賃上げ要件の注意点をまとめます。
業務改善助成金 2026年度|上限最大600万円・9月1日受付開始・3コースへ再編を解説
賃上げと設備投資をセットで支援する業務改善助成金の2026年度版を解説。コースは50円・70円・90円の3つに再編され、上限は最大600万円・助成率3/4〜4/5。受付は2026年9月1日開始。2026年7月28日の最低賃金目安答申(全国加重平均1,176円へ)を踏まえた準備ポイントもまとめます。
最低賃金引き上げ 2026|全国平均1,177円(+56円)で確定・東京1,280円は10月1日発効、中小企業が使える補助金・助成金6制度を解説
2026年度の最低賃金は全国加重平均1,177円(前年度+56円・5.0%)で確定。東京1,280円・大阪1,231円など15都道府県は10月1日発効、残りの府県も12月2日までに順次発効。賃上げ対応に使える業務改善助成金(最大600万円・9月1日受付開始)、キャリアアップ助成金、持続化補助金の賃金引上げ特例、省力化投資補助金、賃上げ促進税制(最大35%)を2026年10月時点で整理。