消費税1%引き下げのレジ補助金|デジタル化・AI導入補助金の事前着手制度で最大350万円・補助率3/4〜4/5、9月15日以降の導入を後から申請できる仕組みを解説
最終更新: 2026-09-26
食料品(飲食料品)の消費税率を2027年4月1日から2年間、8%から1%に引き下げる大綱が2026年9月15日に閣議決定されました。あわせて中小企業庁は、レジの買い替え・改修を既存の「デジタル化・AI導入補助金」の事前着手制度で支援すると発表しています。2019年のような「軽減税率対策補助金」の新設ではなく、9月15日以降に先にスマートレジを導入したりPOSレジを改修したりして、後から申請できる特例です。公表された案では補助上限350万円・補助率3/4(小規模事業者は4/5)ですが、公募要領は未公表で「変更の可能性あり」と明記されています。この記事では、税率引き下げの要点と補助金の内容、2019年制度との違い、今からできる準備を、2026年9月26日時点の内閣官房・国税庁・中小企業庁の一次情報で整理します。
食料品の消費税は「いつから」「何%」になる?
- 税率: 現行8%(軽減税率)の飲食料品が1%(国0.78%+地方消費税0.22%)に。0%ではなく、高市総理は「1%なら0%より事業者のシステム改修の期間を短縮できる」と説明(2026年7月30日会見)
- 期間: 2027年(令和9年)4月1日〜2029年(令和11年)3月31日の2年間限定。終了後は8%に戻す方針
- 対象: 現行の軽減税率対象と同じ範囲。外食・酒類・ケータリングは10%のまま、テイクアウト・出前・宅配は1%、新聞の定期購読は8%を維持
- ステータス: 2026年9月26日時点で法案は国会に未提出。国税庁のリーフレットにも「法案が可決・成立した場合のもの」と注記されており、「決定」ではなく「方針」の段階
- 事業者向けの特例: 2027年2月1日〜5月31日は8%・1%の新旧価格が混在する総額表示が認められる。免税事業者の課税選択や簡易課税の届出にも特例が設けられる予定
実務面で最も影響が大きいのは、飲食料品を扱うすべての店舗でレジ・受発注・請求書システムの税率設定を切り替える必要が出ることです。2019年の軽減税率導入時は「8%と10%の複数税率対応」でしたが、今回は新聞も扱う店では1%・8%・10%の3つの税率が並びます。経済産業省も小売事業者とシステムメーカーに対し、レジ・会計システム改修の計画的な準備を呼びかけています。
レジ補助金の中身: デジタル化・AI導入補助金の「事前着手制度」
中小企業庁が2026年9月15日に公表した支援策は、新しい補助金の創設ではありません。旧IT導入補助金である「デジタル化・AI導入補助金」の枠内で、消費税率引き下げ対策として「事前着手制度」を設けるものです。通常のこの補助金は交付決定前に契約・発注すると補助を受けられませんが、事前着手制度では2026年9月15日以降に先に導入・改修を済ませ、後から申請できます。公表されたチラシ(Ver1.0)の内容は次のとおりです。
- 類型: 従来型レジからタブレット等を使うスマートレジへ切り替える「スマートレジ類型」と、既存のPOSレジ等を新税率に対応させる「POSレジ類型」の2つ
- 対象経費: レジ・POSシステムの購入費、クラウド利用料(最大2年間)、受発注・請求書管理システムの改修費、導入設定・マニュアル作成・研修・保守サポート、レジやPC・タブレットの購入費
- 補助上限(ソフトウェア+役務): 会計・受発注・決済の1機能なら50万円、2機能以上なら350万円
- 補助率: 50万円以下の部分は3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超〜350万円の部分は2/3
- ハードウェア: レジ本体またはPC・タブレットの購入費は上限20万円・補助率1/2
- 対象期間: 2026年9月15日〜2027年3月(調整中)。申請受付: 2027年1月〜3月(調整中)で、1月を目途に受付開始とされている
- 対象者: 中小企業・小規模事業者(チラシには「中堅企業も一部対象」とあるが範囲は未公表)
チラシには「申請要件を満たしている限り交付対象となる」と書かれており、ものづくり補助金のように事業計画の点数で競う型ではない見込みです。ただし、対象となるのは事務局に登録済みのスマートレジ・POSレジ製品に限られ、改修費・役務費は複数見積が求められる場合があります。事後申請のため、仕様書・見積書・契約書・レシートなど取引を証明する書類はすべて保管が必要です。予算額や財源は9月26日時点で公式発表がなく、申請手順の詳細も後日公開される公募要領で確定します。
中小企業庁「変化の時代に対応できるスマートレジの導入支援(事前着手制度)」(2026年9月15日) ↗
中堅企業の小売は経済産業省の別枠(上限2,500万円・補助率1/3)
中小企業の枠に入らない中堅企業向けには、経済産業省が別途レジシステム改修の支援を用意しています。対象は飲食料品を扱う小売業で、常時使用する従業員2,000人以下、みなし大企業でない、直近の自己資本比率が40%未満、の要件をすべて満たす事業者です。POSレジや受発注・請求書管理などの基幹システムの改修費と役務費が対象で、補助上限は1事業者2,500万円・補助率1/3です(2026年9月15日公表時点)。
2019年の「軽減税率対策補助金」と何が違う?
2019年10月の消費税10%・軽減税率導入時には「軽減税率対策補助金」があり、今回もその復活を期待する声がありますが、仕組みは異なります。
- 2019年制度(参考): 複数税率対応レジの導入(A型)は補助率3/4(3万円未満のレジ1台なら4/5)、上限はレジ1台20万円・1事業者200万円。受発注システム改修(B型)は上限1,000万円。事後申請で、2019年9月30日までの契約・12月16日が申請期限だった
- 今回: 「1台あたり」の上限はなく、会計・受発注・決済の機能数で上限50万円/350万円が決まる。事務局に登録された製品のみが対象になる点はデジタル化・AI導入補助金の基本ルールと同じで、申請手順(IT導入支援事業者との共同申請になるか等)は公募要領待ち
- 共通点: どちらも導入後に申請できる事後申請型。契約・支払いの証拠書類の保管が必須
待たずに動くなら: 通常のインボイス枠と業務改善助成金
事前着手制度の受付は2027年1月頃からですが、同じデジタル化・AI導入補助金の通常ルート(インボイス枠・インボイス対応類型)は現在も公募中で、スマートレジは優先採択の対象とされています。ソフトウェアの補助率・上限は事前着手制度の公表案と同じ水準ですが、ハードウェアはレジ・券売機が上限20万円、PC・タブレットが上限10万円(いずれも補助率1/2)と一部異なり、交付決定後に発注する通常ルールが適用されます。2026年度の締切は第5次が9月29日(火)17:00、第6次が10月30日、第7次が12月1日で、以降の回は未公表です(2026年9月26日時点)。すでに9月15日以降に導入した場合は事前着手制度、これから交付決定を待って導入できるなら通常ルート、という使い分けになりますが、同じ経費で両方を受けることはできないのが補助金の原則です。
→ デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)の枠・補助額・申請の流れを詳しく見る
レジ導入を賃上げと組み合わせるなら、厚生労働省の業務改善助成金も選択肢です。事業場内最低賃金を50円以上引き上げてPOSレジなど生産性向上の設備を導入すると、費用の3/4〜4/5(上限最大600万円)が助成されます。締切は自社の都道府県の最低賃金発効日の前日か11月30日の早い方です。
今からできる準備4つ
- ① 自社のレジ・POS・受発注・請求書システムが新税率に対応できるか、メーカーやベンダーに確認する。買い替えるなら事務局に登録済みの製品かを事務局ポータルサイトで確認する
- ② 改修費・役務費は複数の見積を取る。事前着手制度で複数見積が求められる可能性があるとチラシに明記されている
- ③ 9月15日以降に契約・納品・支払いをした書類(仕様書・見積書・契約書・請求書・レシート)は捨てずに保管する
- ④ 公募要領の公開(事務局ホームページ)と法案審議の動向を追う。国税庁の「消費税率引下げ特設サイト」で免税事業者・簡易課税の届出特例も確認する
制度の続報を見逃さないために
今回の支援策は「補助率・上限は公表済み、公募要領・予算は未公表」という途中段階にあり、公募要領の公開や締切の確定を見落とすと申請機会そのものを失います。補助金みっけでは国(jGrants)の公式データを毎日取り込み、気になる制度をお気に入り登録すると締切前にメールでお知らせします。プロプランなら事業プロフィールに合う新着制度をAIが判定して通知するため、レジ・デジタル化まわりの新しい枠が出た際も取りこぼしを防げます。
よくある質問
食料品の消費税はいつから何%になりますか?0%になるのではないのですか?
2026年9月15日に閣議決定された大綱では、2027年4月1日から2029年3月31日までの2年間、飲食料品の消費税率を現行の8%から1%(国0.78%+地方0.22%)に引き下げるとしています。0%ではありません。対象は現行の軽減税率と同じ範囲で、外食・酒類は10%のまま、新聞の定期購読は8%を維持します。2026年9月26日時点で法案は国会に提出されておらず、国税庁の資料にも「法案が可決・成立した場合のもの」と注記されています。
9月15日以降にすでにレジを買い替えました。補助金の対象になりますか?
中小企業庁が公表した事前着手制度は、2026年9月15日以降に導入したスマートレジやPOSレジの改修を、2027年1月頃から始まる受付で事後申請できる仕組みです。ただし対象は事務局に登録済みのスマートレジ・POSレジ製品に限られ、公募要領は未公表で「変更の可能性がある」とされています。契約・納品・支払いの書類をすべて保管したうえで、公募要領の公開を待って要件を確認してください。通常の補助金にある「交付決定前の発注は対象外」のルールは、この制度では例外扱いです。
レジ補助金はいくらもらえますか?
2026年9月15日公表のチラシ(Ver1.0)では、ソフトウェアと役務(導入設定・研修・保守)の補助上限が、会計・受発注・決済のうち1機能なら50万円、2機能以上なら350万円です。補助率は50万円以下の部分が3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超〜350万円の部分が2/3。レジ本体やPC・タブレットは上限20万円・補助率1/2です。たとえば小規模事業者が40万円のスマートレジ用ソフトを導入すれば最大32万円、10万円のタブレットなら5万円が補助される計算ですが、いずれも公募要領で変更される可能性があります。
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