補助金みっけ

建設業が使える補助金・助成金 2026|技能講習の費用を3/4助成する技能実習コース・新設の定着助成(1人42万円)・ICT建機や測量ドローンの省力化補助金など10制度の上限額と締切(10月30日〜12月15日)を解説

最終更新: 2026-10-18

建設業には、2024年4月から時間外労働の上限規制(原則月45時間・年360時間)が適用され、2025年12月12日には改正建設業法が完全施行されて「労務費に関する基準」を著しく下回る見積りや契約が禁止されました。人手不足と高齢化、賃上げへの対応を同時に迫られる一方で、国の支援には建設業だけが使える厚生労働省の助成金(技能講習の費用、若手の採用・定着、建設キャリアアップシステムの活用など)と、ICT建機・測量機器や新分野への投資に使える中小企業庁の補助金が揃っています。この記事では、中小の建設会社・工務店・専門工事業者が使える国の10制度を、2026年10月18日時点の公募要領・支給要領と厚生労働省・国土交通省の公式資料をもとに「何に使えるか・上限額・締切」の順で整理します。

まず締切順に全体像をつかむ(2026年10月〜12月)

建設業だけが使える厚生労働省の助成金 — 共通の要件と「一人親方は対象外」の線引き

厚生労働省の「建設事業主等に対する助成金」は、人材確保等支援助成金・人材開発支援助成金・トライアル雇用助成金の中に建設業専用のコースを置いたもので、2026年度(令和8年度)の予算額は71億円です。対象は、雇用保険で「建設の事業」の保険料率が適用されている事業主、または建設業許可を持つ事業主で、雇用管理責任者を選任していることが共通要件です。多くのコースは「中小建設事業主」(資本金3億円以下、または常時雇用する労働者300人以下)に限られます。注意したいのは、労働者を雇っていない一人親方や、同居の親族だけで営む事業主は「建設事業主」に当たらず、これらの助成金を使えないことです(厚生労働省の公式Q&Aに明記)。申請先は都道府県労働局で、どのコースも「計画届の提出 → 実施 → 支給申請」の順番が必須です。実施した後に届け出ることはできません。

① 人材開発支援助成金〈建設労働者技能実習コース〉 — 足場・玉掛け・車両系建設機械の講習費用を3/4助成

最も使いやすい制度です(外国人の技能実習制度とは別の制度です)。雇用する建設労働者に労働安全衛生法の特別教育・技能講習などの技能実習を受講させた中小建設事業主に、受講料と受講日の賃金の一部が助成されます。対象になる実習は、足場の組立て等作業主任者・車両系建設機械(整地・運搬・積込用及び掘削用など)・小型移動式クレーン・玉掛け・高所作業車・ガス溶接の技能講習、アーク溶接・小型車両系建設機械・フルハーネス型墜落制止用器具などの特別教育、登録基幹技能者講習、技能検定の事前講習など「建設工事の作業に直接関連する」ものです。

② 人材確保等支援助成金〈若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース〉 — 新規入職者の定着で1人42万円(2026年度新設)

現場見学会・インターンシップ・新規入職者研修・公的資格の取得講習・職長研修・女性向けキャリアパスの作成など、若者や女性の入職・定着につながる取り組みの経費を助成します。中小建設事業主は対象経費の60%(中小以外は45%)、雇用管理研修などを受講させた場合は労働者1人につき受講日数×9,500円で、一事業所・一年度あたりの上限は200万円です。事業終了の翌日から1年以内に全建設労働者の賃金を5%以上引き上げると、経費助成に3/20が上乗せされます。

2026年度の目玉は「定着助成」の新設です。建設業の魅力発信(見学会など)→雇用管理研修の受講→新規入職者への教育訓練を一体で行い、新たに採用した人が6か月間離職しなかった場合に、対象者1人あたり42万円が上乗せされます。一事業年度あたり3人・126万円が上限です。計画届は事業を始める原則2か月前までに提出が必要で、事業計画期間は最大1年です。

③ CCUSの活用・若手の試行雇用・女性用トイレの賃借 — 建設業専用のあと3コース

建設事業主等に対する助成金(厚生労働省・公式ページ。2026年度パンフレット・支給要領あり) ↗

④ エイジフレンドリー補助金 — 60歳以上の作業員の転倒・腰痛・熱中症対策に上限100万円(11月20日まで)

建設業は高年齢の作業員が多く、労働災害の防止が課題です。エイジフレンドリー補助金は、1年以上事業を行い、役員を除く60歳以上の労働者(労災保険適用)が常時1人以上いる中小企業事業者が対象で、2026年度の申請受付は5月20日〜11月20日です(当初の10月31日から延長)。予算に達すると期間内でも受付が終了し、審査制のため全員に交付されるものではありません。

⑤ 働き方改革推進支援助成金〈業種別課題対応コース(建設業)〉 — 残業削減・休日増で最大250万円(11月30日締切)

時間外労働の上限規制への対応費用を支援する制度で、2026年度は建設業・運送業などを対象にした「業種別課題対応コース」があります。対象は、工作物の建設の事業を主に営む中小企業事業主(資本金3億円以下または常時使用する労働者300人以下)です。交付申請の期限は2026年11月30日17:00で、国の予算に達すると予告なく締め切られます。事業の実施は2027年1月31日まで、支給申請は事業終了から30日後か2027年2月5日の早い日です。

→ 働き方改革推進支援助成金 2026年度の詳細(5コースの違い・申請の流れ)

⑥ 中小企業省力化投資補助金 — ICT建機・測量ドローン・鉄筋組立ロボットを補助率1/2で

人手不足対策の本命です。カタログ注文型は事務局のカタログに登録された製品を選んで販売事業者と共同で申請する方式で、随時受け付けています。2026年10月8日版の製品カテゴリ一覧で対象業種に建設業が含まれるものには、自動視準・自動追尾の測量機、地上型3Dレーザースキャナー、GNSS測量機(RTK)、写真測量・LiDAR測量用ドローン、マシンコントロール・マシンガイダンス機能付きショベル、チルトローテータ付きショベル、ICT締固め管理機能付きの道路機械、鉄筋組立作業ロボット・鉄筋自動曲げ装置、パワーアシストスーツ、設備点検用小型ドローン、映像解析AIによる交通誘導システム、バッテリー式階段運搬台車などがあります。ただし墨出しロボットやICT機能付きブルドーザなど、カテゴリはあっても登録製品が0件のものもあり、アーク溶接ロボットの対象業種は製造業のみで建設業は含まれません。

→ 省力化投資補助金の詳細(カタログ型と一般型の違い・申請の流れ)

⑦ 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 — 新工法の開発・新分野進出に(10月30日18:00締切)

旧ものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金を統合した新制度で、第1回の申請受付は2026年9月30日〜10月30日18:00です(採択発表は2027年1月の予定)。公募要領の中小企業者の定義表に「製造業、建設業、運輸業: 資本金3億円・従業員300人」と明記されており、建設業も対象です。革新的新製品・サービス枠は補助率1/2(小規模事業者・再生事業者は2/3)で、上限は従業員1〜5人750万円、6〜20人1,000万円、21〜50人1,500万円、51人以上2,500万円(下限100万円)。新事業進出枠は補助率1/2(最低賃金引き上げ特例で2/3)、上限は従業員1〜20人2,500万円から101人以上7,000万円まで(下限750万円)です。補助事業の実施期間は交付決定日から10か月以内(新事業進出枠は14か月以内)で、今回に間に合わない場合は次回の公募に向けて計画を整える方が現実的です。

→ ものづくり補助金の新制度への統合と第1回公募の詳細

⑧ 小規模事業者持続化補助金 第20回 — 従業員20人以下の建設業者はホームページ・チラシ・機械装置に(12月15日締切)

建設業は公募要領の従業員区分で「製造業その他」に該当し、常時使用する従業員が20人以下なら対象です(商業・サービス業の5人以下より緩い)。補助上限50万円・補助率2/3が基本で、インボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)を併用すると最大250万円になります。申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00ですが、商工会議所・商工会に発行してもらう事業支援計画書(様式4)の依頼締切が12月4日と先に来ます。直近の第19回は申請16,576件・採択7,819件で、採択率は約47%でした。施工事例を載せた会社ホームページやチラシ、小型の機械装置の購入が典型的な使い道です。

→ 持続化補助金 第20回の詳細(対象者要件・特例の条件・様式4の落とし穴)

⑨ 事業承継・M&A補助金 16次 — 後継者への引き継ぎにかかる設備投資・専門家費用(11月6日締切)

後継者不足は建設業で特に深刻です。16次の申請受付は2026年10月2日〜11月6日17:00で、Jグランツによる電子申請のみ(GビズIDプライムが必須)です。事業承継促進枠は、公募申請日から5年以内に事業承継を完了する計画が対象で、補助率は小規模事業者等2/3・それ以外1/2、上限は800万円(従業員1人あたりの給与支給総額を3%以上引き上げる賃上げ要件を満たすと1,000万円。800万円を超える部分の補助率は1/2)、廃業費の併用で300万円が加算されます。ほかに専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠があります。15次は申請551件・採択338件でした。補助金は事業完了後の精算払いです。

→ 事業承継・M&A補助金の詳細(4つの枠の違い・申請の流れ)

建設業が落ちやすい落とし穴

→ 建設業が対象の募集中の補助金一覧

自社で使える制度を取りこぼさないために

建設業向けの支援策は、厚生労働省の助成金(計画届制)、中小企業庁の補助金(公募回ごとの締切)、都道府県の独自制度と窓口が分かれており、ひとつずつ公式サイトを見て回るだけでも手間がかかります。補助金みっけでは、国(jGrants)の公式データを毎日取り込み、建設業が対象の制度を地域や目的で絞り込んで無料で検索できます。気になる制度をお気に入り登録すれば締切前にメールでお知らせし、プロプランなら自社のプロフィールに合う新着制度をAIが判定して通知します。省力化投資補助金〈一般型〉第9回のように公募待ちの制度も、開始を見逃さずに済みます。

→ 「建設」で募集中の補助金を検索する(無料)

よくある質問

一人親方でも建設業向けの助成金は使えますか?

厚生労働省の「建設事業主等に対する助成金」(技能実習コース・魅力ある職場づくり事業コース・CCUS等活用促進コースなど)は、労働者を雇用しない一人親方や同居の親族だけで営む事業主は「建設事業主」に当たらず利用できないと公式Q&Aに明記されています。労働者を雇い入れて雇用保険を適用した後が前提です。一方、小規模事業者持続化補助金(建設業は従業員20人以下が要件)、中小企業省力化投資補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は個人事業主も対象で、一人親方でも申請できます。

足場や玉掛け、車両系建設機械の講習費用はどれくらい戻ってきますか?

人材開発支援助成金〈建設労働者技能実習コース〉では、雇用保険被保険者20人以下の中小建設事業主なら受講料等の3/4(1つの実習につき1人10万円が上限)と、受講日の賃金助成として1人1日9,500円(建設キャリアアップシステムの技能者登録者は10,450円)が支給されます(2026年度)。登録教習機関が実施する技能講習・特別教育なら事前の計画届は不要で、実習終了の翌日から2か月以内に都道府県労働局へ支給申請します。受講日にも通常の賃金を支払うことが条件で、年次有給休暇を使って受講させるとその実習は全日が対象外になります。

建設キャリアアップシステム(CCUS)の登録料は補助されますか?

個々の会社が登録料の助成を直接受けられる国のコースは2026年度にはありません。技能者登録料やレベル判定手数料の助成は、建設事業主団体を通じた「普及促進事業」(2026年度末まで延長)として行われるため、所属する団体に確認してください。会社が直接使えるのは人材確保等支援助成金〈建設キャリアアップシステム等活用促進コース〉で、能力評価でレベルが上がった技能者の賃金を5%以上引き上げ、雇用する全技能者の詳細型登録を行うと対象技能者1人あたり16万円(一事業年度160万円まで)が支給されます。また技能実習コースではCCUS登録者の賃金助成が1.1倍になります。

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