製造業が使える補助金・助成金 2026|新事業進出・ものづくり補助金(第1回10月30日締切)・無人搬送車やNC旋盤を補助率1/2で導入する省力化カタログ型・工作機械更新の省エネ補助金・売上100億円を目指す成長加速化(上限5億円・11月12日締切)など10制度の上限額と締切を解説
最終更新: 2026-10-25
製造業では、2026年1月1日に改正下請法が「中小受託取引適正化法(取適法)」として施行され、発注側が協議に応じないまま一方的に代金を決めることや手形払いが禁止されました。価格交渉の環境が変わる一方で、人手不足、設備の老朽化、エネルギーコストへの対応は待ってくれません。国の支援は製造業向けの層が最も厚く、設備投資の本命である新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、人手不足対策の中小企業省力化投資補助金、工場の設備更新に使える省エネ補助金から、人材育成・賃上げを支える厚生労働省の助成金まで揃っています。この記事では、中小の製造業(町工場・部品加工・金属加工・食品製造・繊維など)が使える国の10制度を、2026年10月25日時点の公募要領・支給要領と中小企業庁・厚生労働省・公正取引委員会の公式資料をもとに「何に使えるか・上限額・締切」の順で整理します。
まず締切順に全体像をつかむ(2026年10月〜12月)
- 10月28日〜11月15日: 業務改善助成金(締切は都道府県の最低賃金発効日の前日。青森・高知10月28日、山形10月29日、山梨・徳島・愛媛・大分10月31日、長崎11月1日、佐賀11月14日、京都11月15日。岩手・熊本・沖縄は11月30日。東京・愛知・大阪など34都道府県は受付終了)
- 10月30日17:00必着: 省エネ・非化石転換補助金 4次公募(工作機械・プレス機械・コンプレッサ・工業炉など既存設備の更新。郵送提出のみ)
- 10月30日18:00: 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回(旧ものづくり補助金。採択発表は2027年1月頃の予定。第2回の時期は未発表)
- 11月6日17:00: 事業承継・M&A補助金 16次(後継者への承継・M&Aにかかる設備投資や専門家費用)
- 11月12日15:00: 中小企業成長加速化補助金 3次(当初の10月29日から延長。売上高100億円を目指す企業の1億円以上の投資。100億宣言の公表が前提)
- 11月20日: エイジフレンドリー補助金(60歳以上の作業員の転倒・腰痛・熱中症対策。当初の10月31日から延長。予算到達で早期終了あり)
- 11月30日17:00: 働き方改革推進支援助成金の交付申請期限(労働時間短縮・年休促進支援コース)
- 12月4日: 持続化補助金 第20回の事業支援計画書(様式4)発行依頼の締切 → 12月15日17:00が申請締切(受付開始は11月5日)
- 12月下旬(予定): 中小企業省力化投資補助金〈一般型〉第9回の締切(11月上旬に公募開始・12月上旬に受付開始の予定。確定日は未発表)
- 随時: 省力化投資補助金〈カタログ注文型〉(2027年3月末頃まで受付)と、人材開発支援助成金・キャリアアップ助成金などの厚生労働省の助成金(年度の一斉締切はなく、実施前の計画届が期限)
① 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 — 新製品開発・生産ラインの新設の本命(10月30日18:00締切、第2回は未発表)
旧ものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金を統合した2026年度の新制度で、第1回の申請受付は2026年9月30日〜10月30日18:00、採択発表は2027年1月頃の予定です。第2回公募の時期は2026年10月25日時点で公式に発表されていません。公募要領の中小企業者の定義表では、製造業は資本金3億円以下または常時使用する従業員300人以下(ゴム製品製造業は従業員900人以下)で、小規模企業者は製造業で従業員20人以下です。申請は電子申請システム(事業者ポータル)のみで、同一事業者は1公募回につき1申請です。
- 革新的新製品・サービス枠: 補助率は中小企業者1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)、小規模企業者・再生事業者は2/3。上限は従業員1〜5人750万円、6〜20人1,000万円、21〜50人1,500万円、51人以上2,500万円(大幅賃上げ特例で850万円〜3,500万円)。下限100万円。補助事業の実施期間は交付決定日から10か月以内
- 新事業進出枠: 補助率1/2(地域別最低賃金引上げ特例で2/3)。上限は従業員1〜20人2,500万円、21〜50人4,000万円、51〜100人5,500万円、101人以上7,000万円(特例で3,000万円〜9,000万円)。下限750万円。建物費も対象で、実施期間は交付決定日から14か月以内
- グローバル枠: 補助率2/3。上限・下限は新事業進出枠と同じで、海外旅費・通訳翻訳費も対象。旧JAPANブランド育成支援等事業(2022年度で単独事業は終了)の受け皿
- 加点項目: パートナーシップ構築宣言(2026年1月1日に更新されたひな形で公表しているもの)、くるみん、えるぼし、健康経営優良法人2026、経営革新計画、事業継続力強化計画など。いずれも申請締切日時点で満たしている必要がある
- 交付決定日より前に契約・発注した経費は補助対象外。交付申請は採択発表日から2か月以内
- 2027年度(令和9年度)の経済産業省概算要求に本補助金として2,200億円が計上されており、来年度も継続する見込み(要求段階)
② 中小企業省力化投資補助金 — 無人搬送車・NC旋盤・成形品取出しロボットを補助率1/2で(カタログ注文型は随時、一般型第9回は11月公募開始予定)
人手不足対策の本命です。カタログ注文型は、事務局のカタログに登録された製品を選び、販売事業者と共同で申請する方式で随時受け付けています。2026年10月8日版の製品カテゴリ一覧(製品登録数は10月2日時点)では208カテゴリ・3,041製品が登録され、製造業を対象業種に含むカテゴリが物流・溶接・工作機械・プレス板金・プラスチック・鋳造・検査計測・包装・食品機械・縫製にわたって揃っています。一般型はカタログにないオーダーメイドの設備やシステム構築が対象で、公募回ごとの締切があります。
- カタログ注文型: 補助率1/2。上限は従業員5人以下500万円、6〜20人750万円、21人以上1,000万円(2026年3月19日の改定後の額)。事業場内最低賃金を3%以上引き上げるなどの賃上げ要件を満たすと750万円・1,000万円・1,500万円に。未達なら減額・返還の対象。2回目以降の申請は累計で上限額の2倍まで。受付は2027年3月末頃まで
- 製造業向けの登録製品数(2026年10月2日時点): 後工程自動化機能付成形品取出しロボット106、食品スライサ・カッタ89、CNC三次元測定機82、自動裁断機80、複合加工機78、急速冷却・急速凍結機62、ワイヤ自動供給付ワイヤ放電加工機50、ローダ付きNC旋盤49、パレタイズロボット47、無人搬送車(AGV・AMR)43、5軸制御マシニングセンタ43、デジタルアーク溶接機21、自動倉庫19、鋳物用自動バリ取り装置18など
- カテゴリはあっても登録製品が0件のもの: AI外観検査用画像処理システム、鋳造用自動注湯機、工作機械用自動ワーク交換装置、物流用ドローンなど。アーク溶接ロボットは3製品のみ。狙う製品がカタログにあるか先に確認する
- 一般型(カタログにない設備・オーダーメイドの投資): 補助率は中小企業1/2(最低賃金引上げ特例で2/3)、小規模企業者・再生事業者2/3。上限は従業員5人以下750万円、6〜20人1,500万円、21〜50人3,000万円、51〜100人5,000万円、101人以上8,000万円(大幅賃上げ特例で1,000万円〜1億円)。第8回は10月16日で締切済み(採択発表は2027年2月上旬予定)。第9回は11月上旬公募開始・12月上旬受付開始・12月下旬締切の予定で、確定日は未発表
- 直近の採択率: 一般型 第6回は申請1,841者・採択1,176者で約64%。第7回の採択発表は11月中旬の予定
- いずれも交付決定前に購入した製品は対象外。GビズIDプライムが必要
→ 省力化投資補助金の詳細(カタログ型と一般型の違い・申請の流れ)
③ 省エネ・非化石転換補助金 — 工作機械・プレス機械・コンプレッサ・工業炉の更新に補助率1/3〜2/3(4次公募は10月30日17時必着・郵送のみ)
正式名称は省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業費補助金で、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が執行しています。4次公募は設備単位型・工場・事業場型ともに2026年10月5日〜10月30日17:00必着で、配送状況を確認できる郵送のみ(持参不可)、交付決定は12月下旬の予定です。申請書類は補助事業ポータルで作成します(アカウント登録に約1日)。5次公募や年度内の追加公募の予定は10月25日時点で発表されていません。2027年度(令和9年度)の経済産業省概算要求には後継事業として2,108億円が計上されています。
- 設備単位型(従来枠): 補助率1/3以内、上限1億円、下限30万円。既存設備の更新が前提で新設は対象外。指定設備は15区分で、高効率空調・産業ヒートポンプ・業務用給湯器・高性能ボイラ・高効率コージェネレーション・低炭素工業炉・変圧器・冷凍冷蔵設備・産業用モータ(コンプレッサを含む)・制御機能付きLED照明器具・工作機械・プラスチック加工機械・プレス機械・印刷機械・ダイカストマシン
- GX設備単位型のトップ性能枠(更新)は補助率1/2以内・上限3億円。電化・脱炭素燃転型(更新・改造)も1/2以内で、重油ボイラから産業ヒートポンプへの転換などが対象
- 工場・事業場型: 中小企業は先進枠2/3以内、一般枠1/2以内(投資回収7年未満は1/3)、中小企業投資促進枠1/2以内(省エネ率7%以上などの要件)。下限100万円。工場全体のライン更新など複数設備をまとめて申請する場合に向く
- 採択率(2次公募): 設備単位型は申請1,410件・採択1,307件で92.7%。生産設備では工作機械96.1%(285件→274件)、プラスチック加工機械98.8%、プレス機械98.0%。工場・事業場型は83.7%。3次公募の採択結果は未公表
→ 省エネ補助金 2026の詳細(対象設備・申請の流れ・交付決定前発注不可の注意点)
④ 中小企業成長加速化補助金 3次 — 売上高100億円を目指す製造業の大型投資に上限5億円(11月12日15:00締切に延長)
工場の新設や大型の生産設備など、投資額1億円以上(建物費・機械装置費・ソフトウェア費の資産計上分、税抜)の計画に補助率1/2・上限5億円を補助する制度です。3次公募の受付は2026年9月29日〜11月12日15:00で、当初の10月29日から延長されました。申請時までに「100億宣言」をポータルで公表済みであることが必須で、公表までに2〜3週間かかるため、事務局は10月26日までの宣言申請を案内しています。賃上げ要件は、補助事業終了後3年間の従業員1人あたり給与支給総額の年平均上昇率4.5%以上で、未達の場合は返還があります。対象は中小企業者(製造業は資本金3億円以下または従業員300人以下)で、Jグランツによる電子申請です。採択率は1次が有効申請1,270件・採択207件(約16%)、2次が872件・223件(約26%)と狭き門で、4次公募の予定は未発表です。
中小企業成長加速化補助金(事務局・公式サイト。3次公募要領・100億宣言の手順あり) ↗
⑤ 小規模事業者持続化補助金 第20回 — 従業員20人以下の町工場はホームページ・展示会出展・小型機械に(12月15日締切)
製造業は公募要領の従業員区分で「製造業その他」に該当し、常時使用する従業員が20人以下なら対象です。補助上限50万円・補助率2/3が基本で、インボイス特例(+50万円)と賃金引上げ特例(+150万円)を併用すると最大250万円になります(賃金引上げ特例の赤字事業者は補助率3/4)。申請受付は2026年11月5日〜12月15日17:00の電子申請のみですが、商工会議所・商工会に発行してもらう事業支援計画書(様式4)の依頼締切が12月4日と先に来ます。補助事業の実施期間は交付決定日から2028年3月31日までです。直近の第19回は申請16,576件・採択7,819件で採択率は約47%でした。加工事例を載せた自社ホームページ、展示会出展、小型の加工機や検査機器の購入が典型的な使い道です。
→ 持続化補助金 第20回の詳細(対象者要件・特例の条件・様式4の落とし穴)
⑥ 事業承継・M&A補助金 16次 — 後継者への引き継ぎにかかる設備投資・専門家費用(11月6日17:00締切)
後継者不足が深刻な製造業で、承継を機に設備を入れ替える場合に使えます。16次の申請受付は2026年10月2日〜11月6日17:00で、Jグランツによる電子申請のみ(GビズIDプライムが必須)です。事業承継促進枠の補助率は小規模事業者等2/3・それ以外1/2、上限は800万円で、従業員1人あたりの給与支給総額を3%以上引き上げる賃上げ要件を満たすと1,000万円(800万円を超える部分の補助率は1/2)、廃業費の併用で300万円が加算されます。賃上げ未達の場合は引き上げ分(最大200万円)の返還があります。ほかに専門家活用枠・PMI推進枠・廃業・再チャレンジ枠があり、採択は12月下旬以降、補助事業期間は最長14か月です。15次は申請551件・採択338件(約61%)でした。17次の予定は未発表で、補助金は事業完了後の精算払いです。
→ 事業承継・M&A補助金の詳細(4つの枠の違い・申請の流れ)
⑦ 業務改善助成金 — 時給引き上げ+設備投資で最大600万円(締切は最低賃金発効日の前日。34都道府県は受付終了)
事業場内の最低賃金を50円・70円・90円のいずれかのコースで引き上げ、あわせて生産性向上につながる設備投資(機械の導入やシステム化、専門家によるコンサルティング)を行う中小企業に、設備費用の一部を助成します。2026年度の助成率は引き上げ前の事業場内最低賃金が1,050円未満なら4/5、1,050円以上なら3/4で、上限は90円コースで10人以上を引き上げる特例事業者の600万円が最大です。申請の締切は、都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日の早い方で、賃金の引き上げは申請後から発効日の前日までに行います(発効日当日の引き上げは対象外)。設備の納品・支払いと賃上げは2027年1月31日までに完了する必要があります。
- 受付終了(34都道府県): 10月1日発効の東京・神奈川・埼玉・千葉・愛知・大阪・兵庫など15都道府県と、10月24日までに発効した長野・岡山・群馬・石川・滋賀・福岡・広島・静岡・福島・茨城・宮崎・鹿児島など19県
- 締切間近: 青森・高知は10月28日、山形は10月29日、山梨・徳島・愛媛・大分は10月31日、長崎は11月1日、佐賀は11月14日、京都は11月15日
- 11月30日締切: 岩手・熊本(発効12月1日)、沖縄(発効12月2日)
- 製造業の活用例(秋田労働局の2026年度事例): 繊維製品製造業が高機能ミシンを導入し、1人あたりの労働時間を1割短縮
- 交付決定前に導入した設備は対象外。同一事業所の申請は年度1回で、引き上げ対象は週20時間以上働く雇用保険被保険者。自動車(特殊用途車を除く)は2026年度から対象外
→ 業務改善助成金 2026年度の詳細(3コースの上限額・申請の流れ)
⑧ 人材開発支援助成金 — 機械加工・品質管理などの訓練費を45〜75%助成。リスキリング支援コースは2026年度末で終了
人材育成支援コースの人材育成訓練は、10時間以上のOFF-JT(外部講習や社内研修)の経費を中小企業で45%(有期契約労働者向けは70%)助成し、訓練後に賃金を5%以上引き上げるか資格等手当で3%以上増やすと15%が上乗せされます。有期契約の現場スタッフを正社員に転換する目的のOJT+OFF-JT(有期実習型訓練)は経費の75%に加えて訓練中の賃金助成が1人1時間800円です。経費助成の限度は1人1訓練あたり訓練時間に応じて15万〜50万円、1事業所の年度上限は1,000万円です。訓練実施計画届は訓練開始日の6か月前から1か月前までに労働局へ提出し、支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内です。QCサークル活動、品質管理マニュアルの作成、自社機器の操作説明、自社製品の説明など通常の事業活動に当たるものは対象外と明記されています。
新製品分野への進出やDX・GXに伴う訓練には事業展開等リスキリング支援コースがあり、中小企業は経費の75%・賃金助成1人1時間1,000円と手厚いですが、2026年度末(2027年3月)までの時限措置です。厚生労働省の記載例には「機械加工を担当している労働者に品質管理や検査に関する知識を身につける訓練を行い、訓練終了後に品質管理部門に配置転換」が挙がっています。eラーニングは経費助成のみで一律15万円(1人)が上限です。
→ 人材開発支援助成金 2026年度の詳細(コースの選び方・申請の流れ)
⑨ キャリアアップ助成金〈正社員化コース〉 — 有期雇用の現場スタッフを正社員にして1人最大80万円
有期雇用の作業員やパートを正社員に転換した中小企業に、重点支援対象者(雇い入れから3年以上の有期雇用労働者など)なら1人80万円(40万円×2期)、それ以外は40万円が支給されます。無期雇用から正規への転換は40万円(重点支援対象者)・20万円です。転換後6か月の賃金を転換前6か月より3%以上増やすことが要件で、転換の前日までにキャリアアップ計画を労働局へ提出しておく必要があります。1事業所あたりの支給申請は年度20人までです。2026年度は、正社員転換制度を新たに就業規則に規定した場合の20万円、勤務地・職務限定などの多様な正社員制度の40万円に加えて、転換に関する情報を自社サイトか「しょくばらぼ」に公表すると20万円の情報公表加算が新設されました(いずれも1事業所1回)。
→ キャリアアップ助成金 2026年度の詳細(重点支援対象者の条件・申請の流れ)
⑩ 働き方改革推進支援助成金〈労働時間短縮・年休促進支援コース〉 — 生産管理システムや省力化設備で残業削減、上限150万円(11月30日締切)
36協定の時間外労働の上限を引き下げたり、年次有給休暇の計画的付与や時間単位年休を導入したりする中小企業事業主(製造業は資本金3億円以下または常時使用する労働者300人以下)に、労務管理システムや生産性向上のための設備・機器の費用を補助します。交付申請の期限は2026年11月30日17:00で、国の予算に達すると期限前に締め切られます(10月25日時点で早期終了の告知はありません)。事業の実施は2027年1月31日まで、支給申請は事業終了から30日後か2027年2月5日の早い日です。
- 補助率は3/4。常時使用する労働者30人以下で、労務管理用の機器・設備などの所要額が30万円を超える場合は4/5
- 成果目標と上限: 36協定の時間外労働を月80時間超から月60時間以下に削減で150万円(月60〜80時間への削減は50万円、月60〜80時間から60時間以下は100万円)。年休の計画的付与の導入で25万円、時間単位年休と特別休暇の導入で25万円。交付額は上限額と対象経費×補助率の低い方
- 賃上げ加算: 事業場内最低賃金を3%・5%・7%以上引き上げると人数に応じて加算(30人超の事業場は3%で1人2万円・上限60万円、7%で1人12万円・上限360万円)。割増賃金率の引き上げにも25万円・75万円の加算
- 機器・ソフトの購入費も対象だが、交付決定後に発注する
→ 働き方改革推進支援助成金 2026年度の詳細(5コースの違い・申請の流れ)
補助金と合わせて検討したい税制・そのほかの支援
- 中小企業経営強化税制: 2027年3月31日までに取得して事業に使う機械装置(1台160万円以上)、工具・器具備品(40万円以上)、建物附属設備(60万円以上)、ソフトウェア(70万円以上)などについて、即時償却または取得価額の10%(資本金3,000万円超の法人は7%)の税額控除が選べる。A類型は工業会の証明書、B類型などは経済産業局の確認書を取り、経営力向上計画の認定を原則として設備取得前に受ける。補助金の公募を待てない投資や対象外の設備の受け皿になる。補助金との併用や圧縮記帳の扱いは税理士に確認する
- 賃上げ促進税制(中小企業向け): 2026年4月1日以降に開始する事業年度は、給与等支給額を前年度比1.5%以上増やすと増加額の15%、2.5%以上で30%、くるみん・えるぼし認定で5%上乗せの最大35%を法人税額から控除(法人税額の20%が上限、控除しきれない分は5年間繰り越し可)。2026年3月31日以前に開始した事業年度は教育訓練費の加算を含めて最大45%だった。適用は2027年3月31日までに開始する事業年度
- エイジフレンドリー補助金: 60歳以上の労働者が常時1人以上いる中小企業事業者が対象。重量物搬送機器・リフト・アシストスーツ・床の段差解消など身体機能の低下を補う設備に補助率1/2・上限100万円、炉のある高温の作業場(WBGT28℃超)向けのスポットクーラーや冷却機能のある服などの熱中症対策に1/2・上限100万円。申請受付は11月20日まで(当初の10月31日から延長。予算到達で早期終了あり)。交付決定後に発注し、前払いは不可
- 特定求職者雇用開発助成金: ハローワーク等の紹介で60歳以上の高年齢者などを継続して雇い入れると中小企業で60万円(30万円×2期)。2026年5月1日以降の紹介分から、60歳以上はハローワーク等で就労に向けた個別支援を受けている人に限られる
- 事業継続力強化計画: 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の加点対象。認定まで約45日かかるため、第2回公募を狙うなら早めに申請する
→ 事業継続力強化計画の詳細(加点・特別償却・認定までの手順)
製造業が落ちやすい落とし穴
- 補助金は交付決定前の発注・契約・支払いが対象外。省力化カタログ注文型も、見積りを取るのは自由だが契約は交付決定を待つ。省エネ補助金は新設が対象外で、既存設備の更新だけが対象
- すべて後払い(精算払い)。複合加工機や工場のライン更新のような高額設備は、いったん全額を自己資金や融資で立て替える。成長加速化補助金は投資額1億円以上が前提
- GビズIDプライムの取得日数: マイナンバーカードによるオンライン申請は最短即日、書類郵送は最大1か月(2026年7月9日以降)。11月6日・11月12日締切の補助金に郵送で間に合わせるのは難しい
- 加点項目は申請締切日時点で満たしている必要がある。パートナーシップ構築宣言は2026年1月1日に更新されたひな形で公表されているものが対象で、古いひな形のまま放置していると加点にならない。事業継続力強化計画の認定は約45日、100億宣言の公表は2〜3週間かかる
- 賃上げ要件で上限を上げる特例は、未達だと減額・返還(省力化カタログ注文型)、引き上げ分の返還(事業承継・M&A補助金)、全額返還(成長加速化補助金)になる。達成できる計画でだけ使う
- 省エネ補助金 4次公募は17時必着の郵送のみで電子申請ではない。補助事業ポータルのアカウント登録に約1日かかる
- 省力化カタログ注文型は、カテゴリがあっても登録製品が0件のもの(AI外観検査用画像処理システム、鋳造用自動注湯機など)がある。欲しい製品が登録されていなければ一般型を検討する
- 厚生労働省の助成金は「計画届が先」。訓練を始めた後、正社員に転換した後に届け出ても支給されない。人材開発支援助成金ではQCサークル活動や自社製品の説明など通常の事業活動は対象外
- 業務改善助成金は申請してから賃上げする。賃上げ後の申請や発効日当日の引き上げは対象外。11月30日まで申請できるのは岩手・熊本・沖縄の3県だけ
- 秋の補正予算は2026年10月25日時点で未発表(2026年6月の第1号補正は予備費のみ)。来年度の予算は概算要求の段階で、新事業進出・ものづくり2,200億円、省エネ・非化石転換2,108億円などが要求されているが、金額・制度内容は変わる可能性がある。都道府県・市区町村の設備投資補助は国の制度と併用できることが多いので、業種ページで募集中の制度を確認しておく
自社で使える制度を取りこぼさないために
製造業向けの支援策は、中小企業庁の補助金(公募回ごとの締切)、資源エネルギー庁の省エネ補助金(郵送・必着)、厚生労働省の助成金(計画届制)、都道府県の独自制度と窓口が分かれており、ひとつずつ公式サイトを見て回るだけでも手間がかかります。補助金みっけでは、国(jGrants)の公式データを毎日取り込み、製造業が対象の制度を地域や目的で絞り込んで無料で検索できます。気になる制度をお気に入り登録すれば締切前にメールでお知らせし、プロプランなら自社のプロフィールに合う新着制度をAIが判定して通知します。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第2回や省力化投資補助金〈一般型〉第9回のように公募待ちの制度も、開始を見逃さずに済みます。
よくある質問
従業員10人の町工場でも使える補助金はありますか?
あります。小規模事業者持続化補助金は製造業なら常時使用する従業員20人以下が対象で、第20回(12月15日17:00締切)は補助上限50万円・補助率2/3、特例を使うと最大250万円です。中小企業省力化投資補助金のカタログ注文型は従業員6〜20人なら上限750万円(補助率1/2)で、ローダ付きNC旋盤や成形品取出しロボット、無人搬送車などカタログ登録製品を随時申請できます。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の革新的新製品・サービス枠は従業員6〜20人で上限1,000万円、小規模企業者(製造業は従業員20人以下)なら補助率が2/3に上がります。省エネ・非化石転換補助金の設備単位型は規模要件がなく、工作機械やコンプレッサなど既存設備の更新費用の1/3以内が補助されます(2026年10月時点)。
ものづくり補助金(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金)の第2回公募はいつですか?
2026年10月25日時点で、第2回公募の時期は公式サイト・公募要領・中小企業庁の公募情報のいずれにも発表されていません。第1回は2026年9月30日〜10月30日18:00が申請受付で、採択発表は2027年1月頃の予定です。一方、2027年度(令和9年度)の経済産業省概算要求には本補助金として2,200億円が計上されており、来年度も制度が続く見込みです(要求段階のため金額は変わる可能性があります)。第2回に備えるなら、申請締切日時点で満たしている必要がある加点項目を今から整えておくのが現実的です。パートナーシップ構築宣言は2026年1月1日に更新されたひな形で公表されているものが加点対象で、事業継続力強化計画は認定までおよそ45日かかります。
老朽化した工作機械やコンプレッサを更新したいのですが、使える補助金は?
既存設備の置き換えなら省エネ・非化石転換補助金の設備単位型が候補です。指定設備の区分に工作機械・プラスチック加工機械・プレス機械・ダイカストマシン・産業用モータ(コンプレッサを含む)・低炭素工業炉・変圧器などがあり、補助率は1/3以内(GX設備単位型のトップ性能枠(更新)は1/2以内)、2次公募の採択率は工作機械で96.1%、プラスチック加工機械で98.8%でした。ただし新設は対象外で、4次公募は2026年10月30日17時必着の郵送のみ、5次公募の予定は未発表です。省力化を目的にするなら、省力化投資補助金のカタログ注文型(補助率1/2)に複合加工機78製品・ローダ付きNC旋盤49製品・5軸制御マシニングセンタ43製品などが登録されています(2026年10月2日時点)。補助金を待てない投資には、2027年3月31日までに取得する機械装置(160万円以上)を即時償却または10%税額控除できる中小企業経営強化税制もあります。いずれも交付決定前(税制は計画認定前)の発注は原則対象外です。
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